石山の 石より白し 秋の風
松尾芭蕉も訪れた那谷寺(なたでら)は、目に入る全ての景色が心に沁み渡ります。
《奇岩遊仙境》
広大な国名勝指定園は、赤や黄色に染まった秋にも訪れたいですね。
展望台から壮大な景色が見られます。
那谷寺は、石川県小松市にある仏教寺院です。
717年に泰澄によって開創されたお寺で、約1300年の歴史があります。
「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で1つ星の認定を受けているそうです。
《御柱鳥居》
早々に期待感高まる入り口です。
重文書院と庭園がセットになった特別拝観がお勧めです。
一般拝観(600円)+200円です。
《山門》
山門の手前にある案内板。
那谷寺が、「おくのほそ道 」の風景地と知りました。
山門を入ると、一面に広がる苔が目にとびこんできます。
《金堂華王殿(こんどうけおうでん)》
全ての法会が行われる場所だそうです。
先に中に入った主人が、「おー。おー。」と何かに感嘆してるような。
「何なのー?」と、主人がいる位置に行って見上げたら・・・。
「おー!!!」でした。
しばし見とれてしまうほどの十一面千手観世音菩薩。
金色に輝く7,8メートルの観世音菩薩は必見です。
残念ながら撮影禁止。
《書院、庫裏庭園、庭園の琉美園》
特別拝観、強くお勧めします。
特に、庭園好きの方には。
国指定重要文化財の書院の中は、御成間(おなりのま)はじめ、いくつかの部屋があり、廊下から四季の花々が見えます。
「琉美園」の中には池があり、その池中央には三尊石があります。
まだまだ葉のない冬の様子の木が残っています。
鮮やかな緑の季節の景色も見たくなります。
まだ冬の景色だなあ・・・。と思っていたら、水芭蕉が咲いていました。
好きな花の一つなので、嬉しくなりました。
花言葉は、「美しい思い出」
那谷寺に行けば、そんな思い出ができますよ。
参道を歩いていくと・・・。
ここから始まる美しい景観。
「那谷寺がこんなにすごいお寺とは・・・。」になります。
本当に、途中から絶句です。
ジブリの世界が広がります 。
「もののけ姫」の木霊が出てきそう。
低いシャクナゲは上から撮れました。
意外に苔と相性いいことを発見。
境内にはシャクナゲが何本もありました。
咲いていたのは数本。
満開の季節にまた行きたいなあ。
広さにも驚きました。
芭蕉が句を詠んだ景色です。
新芽が綺麗♡
お地蔵さんが可愛い♡
《大悲閣》
自然との調和が「いとをかし」
どの季節も素晴らしいと思いますが、冬の名残りがある時期も風情があっていいなあと思いました。
儚げで寂しい中に新しい息吹きが感じられる。こういう景色や時間を「心が洗われる」というのでしょうか。
二つの季節が混在する時期の良さを味わいました。
まだ桜が残っていて、シャクナゲとのコラボはかなりの期間限定。
得した気分です♪
鮮やかな色のシャクナゲに、淡い色の枝垂桜が降り注ぐ。
花園です。
那谷寺が、芭蕉が訪れたところだとは知らなかったので感激でした(*^_^*)
境内は苔尽くし。
旅先ではどうしても青空を求めがちですが、ここは、小雨が似合います。
「階段、濡れていると滑るから気をつけてね。」と言われましたが、大丈夫。
苔むす味わい深い階段を早足なんかで上りません。
一段一段を味わいながらふみしめて上りました。
本当はちょっと怖かった・・・なんてね。
自然に囲まれ佇む鐘楼。
趣きありすぎ♡
鐘楼までの道は2か所。
周りの木々と鐘楼、素敵すぎて何度も振り返りながら帰路へ。
静寂の中、雑念が入ってこない心穏やかな時間を過ごせました。
帰り道も苔三昧♡
どこに立っても写真が撮りたくなる風景です。
約2時間、至福の時間でした。
これから咲く山野草の名前が書かれていました。
夏に向けて綺麗な花を咲かせる準備をしています。
那谷寺では、桜、シャクナゲ、ツツジ、紫陽花、百日紅などの花々、そして新緑や紅葉、雪景色、それぞれの四季を心ゆくまで堪能できそうです。
「日本、どうなるんだろう・・・。」という不安の中で、少し罪悪感?みたいなものを感じながら思い切って出かけた一日です。
この日からほどなくして、緊急事態宣言が出されました。
境内の中、誰一人もすれ違いませんでした。
こんなに広いのに・・・。
皆さん、自粛されています。
皆さん、いっぱい我慢して日々過ごしていらっしゃることが分かりました。
医療従事者の方や保健所の方たちの大変さを考えると、本当に頭が下がります。
早く休める日が来ますように。
気を引き締めて過ごしたいと思います。